2014年7月19日更新

T_0部分空間

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定義集合Aが 「Y∈A ⇔ Yの任意の有限部分集合Zに対しZ∈A」 を満たすとき,Aは有限性を持つという. このとき命題

有限性をもつ非空集合Aは(⊂に関する)極大元をもつ.

をTukeyの補題という.

定理選択公理⇔Tukeyの補題

証明Zornの補題・極大原理を参照.

定義Xを位相空間とする.

  1. Y⊂Xが稠密 ⇔ 空でない任意の開集合O⊂Xに対しY∩O≠ ∅
  2. Y⊂Xがcodense ⇔ 空でない任意の閉集合F⊂Xに対しY∩F≠ ∅
  3. Y⊂Xがthick ⇔ 空でない任意の開かつ閉な集合H⊂Xに対しY∩H≠ ∅

定理次の命題は(ZF上)同値.

  1. 選択公理
  2. 任意の位相空間は極大なT0部分空間を持つ.
  3. 任意の位相空間は極大なT1部分空間を持つ.
  4. 任意の位相空間は稠密なT0部分空間を持つ.
  5. 任意の位相空間はcodenseなT0部分空間を持つ.
  6. 任意の位相空間はthickなT0部分空間を持つ.

証明(1 ⇒ 2) (X, O)を位相空間とする. A := { Y⊂X | (Y, O|Y)はT0空間 } とおけば Aは有限性を持つ.

まずY∈Aとする.任意の有限部分集合Z⊂Yを取る. 異なる二点x, y∈Z⊂Yを取ると,(Y, O|Y)はT0だから あるU∈O|Yが存在して

(x∈U かつ y ∉ U)または(x ∉ U かつ y∈U)

を満たす.このときU∩Z∈O|Zであり

(x∈U∩Z かつ y ∉ U∩Z)または(x ∉ U∩Z かつ y∈U∩Z)

が成り立つ.故に(Z, O|Z)はT0である.即ちZ∈ A.

次にY⊂ Xが「任意の有限部分集合Z⊂Yに対しZ∈A」を満たすとする. 異なる二点x, y∈ Yを取ると{x, y}∈ Aである. よって({x, y}, O|{x, y})はT0であるから, あるU∈O|{x, y}が存在して

(x∈ Uかつy∉ U)または(x∉ Uかつy∈ U)

を満たす.O|{x, y}の定義から,あるV∈Oが存在して U=V∩{x, y}と書ける.このときV∩Y∈O|Y

(x∈V∩Y かつ y ∉ V∩Y)または(x ∉ V∩Y かつ y∈V∩Y)

が成り立つ.故に故に(Y, O|Y)はT0である.即ちY∈A.

以上よりAは有限性を持つ.

従ってTukeyの補題によりAは極大元を持つ.その極大元が極大なT0部分空間である.

(2 ⇒ 4) X を位相空間とする.仮定2により,極大T0部分空間 Y⊂X が存在するが,これは稠密である.それを示すため,稠密でないと仮定する.開集合 ∅≠U⊂X で X∩U=∅ となるものが存在する. x∈U を一つ取れば Y∪{ x } ⊂X はT0部分空間である.故に Y の極大性に矛盾する.

(2 ⇒ 5)同様である.

(4 ⇒ 6)(5 ⇒ 6)明らか.

(6 ⇒ 1) {X_λ}_{λ∈Λ}を互いに素な非空集合の族とする. 各 Xλ に密着位相を入れて直和 X:=∪_{λ∈Λ}X_λを考える. 仮定6により X はthickなT0部分空間 Y⊂X を持つ. Xλ⊂X は開かつ閉だから,Y がthickであることより Xλ∩Y ≠ ∅ が分かる. 一方 Y はT0だから | Xλ∩Y | = 1 でなければならない. 即ち Y は{X_λ}_{λ∈Λ}の選択集合である.

(1 ⇔ 3)も同様にして証明できる.証明のT0の部分をT1に変えればよい.

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