2012年3月15日更新

選択公理について

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定義 Xを集合とするとき,次の条件を満たす写像 f: X→∪x∈X x を集合 X の選択関数という.

任意の非空集合 x∈X に対して f(x)∈x

次の命題を選択公理と呼ぶ.

選択公理 任意の集合は選択関数を持つ.

定義 全射 g: Λ→A をΛを添え字集合とする集合族という.Xλ := g(λ) と置いて,この集合族を{X_λ}_{λ∈Λ}で表すことが多い.また,次の条件を満たす写像f: Λ→∪_{λ∈Λ}X_λを集合族{X_λ}_{λ∈Λ}の選択関数という.

任意のλ∈Λに対して f(λ)∈Xλ

集合族{X_λ}_{λ∈Λ}の選択関数全体からなる集合をΠ_{λ∈Λ}X_λで表す.f∈Π_{λ∈Λ}X_λに対して xλ := f(λ) と置くとき,f = ( xλ )λ∈Λ 等と表すことがある.

定理 次のの命題は(ZF上)同値.

  1. 選択公理
  2. 非空集合の族{X_λ}_{λ∈Λ}に対して,選択関数が存在する.
  3. 互いに素な非空集合の族{X_λ}_{λ∈Λ}に対して,選択関数が存在する.
  4. 非空集合の族{X_λ}_{λ∈Λ}に対して,Π_{λ∈Λ}X_λ≠∅.
  5. 互いに素な非空集合の族{X_λ}_{λ∈Λ}に対して,Π_{λ∈Λ}X_λ≠∅.
  6. {X_λ}_{λ∈Λ}を互いに素な非空集合の族とするとき,ある集合 C が存在して「任意のλ∈Λに対し|Xλ∩C| = 1」を満たす.この C を選択集合という.

証明(1 ⇒ 2) 集合 { Xλ | λ∈Λ } の選択関数を g とすれば f(λ) := g(Xλ) が{X_λ}_{λ∈Λ}の選択関数である.

2⇒3 と 3⇒5 と 2⇒4 と 4⇒5 は明らか.

(5 ⇒ 6) {X_λ}_{λ∈Λ}を互いに素な非空集合の族とする.仮定5により元 ( xλ )λ∈ΛΠ_{λ∈Λ}X_λが取れる.このとき C := { xλ | λ∈Λ } と置けばよい.

(6 ⇒ 1) X を集合とする.¬∅ ∈X としてよい.Y := { {x}×x }x∈X とすればY は互いに素な集合の族であるから,選択集合 C が存在する.このとき x∈X に対して C∩({x}×x) = { <x, f(x)> } と置けば f が X の選択関数である.

コメント

manifolds | 2016年3月11日 09:28

初歩の質問です。最初の式
f: X→∪x∈X x
において、一番右にある x は、元(要素)なのでしょうか。部分集合なのでしょうか。

記号 ∪ が和集合を表しているならば、 x を部分集合として
f: X→∪x∈X { x }
とでも書くべきでは?

管理人 | 2016年3月12日 16:57

xは元です。
Xは集合の集合なので和集合の取り方はこれでよいです。

選択公理無理太郎 | 2017年5月 7日 22:24

はじめまして。唐突なコメント失礼します。

A……添え字集合
{X_a}……Aで添え字付けられた集合族(任意のa∊Aに対してX_aが定まっている)

このとき、任意のa∊Aについて、X_aが唯一つの元を持つ集合であるときでも、∏X_a≠∅を言うのに、選択公理は必要ですか?

管理人 | 2017年8月 6日 23:53

返信遅くてすみません。その場合選択公理は不要です。

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