2015年12月26日更新

位相空間(その他)

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定義 位相空間Xがスーパーコンパクト ⇔ 任意の開被覆 X=∪i∈IUi に対して,ある i∈I が存在して Ui=X となる.

定理 選択公理⇔スーパーコンパクト空間の直積はスーパーコンパクト

スーパーコンパクトT0空間の直積がスーパーコンパクトになることは選択公理を使わずに証明できる.

証明 (⇒) { (Xλ, Oλ) }λ∈Λをスーパーコンパクト空間の族としてX := Π_{λ∈Λ}X_λとする.各XλはスーパーコンパクトだからYλ := { x∈Xλ | x∈U∈O ⇒ U=Xλ } は空でない.{ Yλ }λ∈Λ に選択公理を適用して元 x = (xλ )∈Πλ∈ΛYλ⊂X を得る.U⊂X を x∈X の開近傍とする.Πλ∈ΛUλ⊂U, xλ∈Uλ∈Oλと書ける.すると各xλの取り方からUλ=Xλとなる.即ちU=X.

( ⇐ ) { Xλ }λ∈Λ を空でない集合の族とする. Xλ* := Xλsqcup{∞} の位相を { ∅, {∞}, Xλ* } で定めると,これはスーパーコンパクトである.よって直積 X := Πλ∈ΛXλ* もスーパーコンパクトである.πλ: X→Xλ* を標準射影とすれば πλ-1(∞)⊂X は開集合で,明らかに πλ-1(∞)≠X である.X がスーパーコンパクトだから { πλ-1(∞) | λ∈Λ } は開被覆ではない.故に x∈X\∪λ∈Λπλ-1(∞) が存在する.このとき明らかに x∈Πλ∈ΛXλ である.

次の命題をHewitt-Marczewski-Pondiczeryの定理という.

Hewitt-Marczewski-Pondiczeryの定理 κ を無限基数, {X_λ}_{λ∈Λ} を位相空間の族とする. λ∈Λ に対して Xλ は濃度 κ 以下の稠密部分集合を持ち, |Λ|≦2κ が成り立つとする.このとき直積空間 Π_{λ∈Λ}X_λ は濃度 κ 以下の稠密部分集合を持つ.

定理 選択公理 ⇔ Hewitt-Marczewski-Pondiczeryの定理

証明 ( ⇒ ) 省略.

( ⇐ ) 選択公理と同値な「無限集合 X に対して |X|2=|X| 」を示す(濃度の性質を参照).X を無限集合として離散位相を入れる. X⊂X は濃度 |X| の稠密部分集合である.直積空間 X×X を考えると, 2≦2|X| が成り立つからHewitt-Marczewski-Pondiczeryの定理により濃度 X 以下の稠密部分集合 D⊂X×X が存在する. X×X は離散位相空間だから D=X×X となり |X|2=|X×X|=|D|≦|X|≦|X|2 より |X|2=|X| である.

参考文献

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