Łośの定理とBPI
Łośの定理にBPIを組み合わせると選択公理と同値になることが知られている.
定理 選択公理 ⇔ Łośの定理+BPI
証明 ⇐ を示す. を互いに素な非空集合の族, X := ∪λ∈ΛXλ とする. X∩Λ= ∅ としてよい. A := X∪Λ と置く.二項関係 R⊂A×A を
aRb ⇔ 「a∈X, b∈Λ, a∈Xb」または「a=b∈X」
で定める. A := <A, R> とする.
が選択関数を持たないと仮定する.
I := { Σ⊂Λ| { Xλ }λ∈Σは選択関数を持つ }
は Λ 上のイデアルである.BPIにより素イデアル P⊃I が存在する.このとき U := { Σ⊂Λ|Λ\Σ∈P } は Λ 上の超フィルターである.Łośの定理より A と AΛ/U は初等的同値である. R の定義より A |= ∀u∃v(vRu) が成り立つ.よって AΛ/U |= ∀u∃v(vRu) であるから, u := [idΛ]∈AΛ/U に対してある v∈AΛ/U が存在して vRu となる. f: Λ→A によって v=[f] と書けば Σ := { λ∈Λ| f(λ) R idΛ(λ) } ∈U である. R の定義から f(λ) R idΛ(λ) ⇔ f(λ)∈Xλ だから f|Σ は { Xλ } λ∈Σ の選択関数である.よって Λ\Σ∈F⊂U だから ∅ =Σ∩(Λ\Σ)∈U となり矛盾する.
参考文献
- Paul E. Howard, Łoś' theorem and the Boolean prime ideal theorem imply the axiom of choice, Proc. Amer. Math. Soc. 49 (1975),426--428, http://dx.doi.org/10.1090/S0002-9939-1975-0384548-X
- 第四回選択公理オフ:数理論理学の初歩の初歩の初歩の…… - konn-san.com
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