Boolean Prime Ideal Theorem
次の命題をBPI (Boolean Prime Ideal Theorem)という.
命題 ([1], FORM 14) 任意のブール代数は素イデアルを持つ.
定理 ZFにおいて次が成り立つ.
- BPIは証明も反証もできない.
- 選択公理 ⇒ BPI は証明できる.
- BPI ⇒ 選択公理 は証明も反証もできない.
定理 次の命題は(ZF上)同値である.
- BPI
- 任意の集合 S について,P(S) の真のフィルターは超フィルターに拡張できる.(超フィルター定理)
- 任意の集合 S について「F⊂P(S) が有限交差性を持つならば,F は超フィルターに拡張できる」.(FIP Extension Principle)
- 単位的可換環は素イデアルを持つ.
- 単位的環は両側素イデアルを持つ.
- 単位的正則環は極大イデアルを持つ.
- R を単位的可換環,I ⊊ R を真のイデアルとするとき,√I = ∩{ p⊃I | p⊂R は素イデアル } となる.
- R を可換環,S⊂R を部分環として,p を S の素イデアルで p = Rp∩S を満たすとする. このとき R の素イデアル P が存在して p = P∩S を満たす.
- コンパクトHausdorff空間の直積はコンパクト.
- 有限位相空間の直積はコンパクト.
- コンパクトかつsoberな空間の直積はコンパクト.
- Banach空間の双対空間の単位球体は弱*位相についてコンパクトである.(Alaogluの定理)
- 位相空間Xがコンパクト ⇔ Xの準基底Sで「Sの元からなる開被覆は有限部分被覆を持つ」を満たすものが存在する.(Alexander's Subbase Lemma)
参考文献
- P. Howard and J. Rubin, Consequences of the Axiom of Choice, Amer Mathematical Society, 1998
- 命題論理と素イデアル定理
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