第3回関東すうがく徒のつどいに参加しました
先日、第3回関東すうがく徒のつどいにて「全ての概念入門」というタイトルで講演をしてきました。実況のまとめもあります。実況の人たちが頑張っているので、読むとなんとなく講演内容も分かるかもしれません。
実は第2回でも講演をしているのですが、後で確認してみるとなんと同じ講演タイトルでやっていました。(これは狙っていたのではなく、講演応募後に気付きました。)
ところでこれらは同じタイトルではありますが、実は講演のテーマは違います。
第2回の「全ての概念入門」では、全ての概念=Kan拡張であり、要はKan拡張入門となっています。内容もKan拡張に絞っており、オチは「選択公理はKan拡張である」でした。(オチに選択公理を持ってくる辺りが、当時の状況を表しているなという感じがします。)
一方で第3回の「全ての概念入門」は、まさに「全ての概念」がテーマになっています。どういうことかというと、圏論には様々な概念があるわけですが(そして、それらが全てKan拡張で「書ける」というのがすべKanです)、それらは互いに関係があります。
- 普遍射が存在すれば随伴が得られる
- 逆に随伴が存在すれば普遍射が得られる
- 特に余極限が存在すれば対角関手の左随伴が得られる
- 逆に対角関手の左随伴があればそれは余極限を与える
- 普遍射は表現可能関手を使って定義できる
- 特に余極限は表現可能関手を使って定義できる
- Kan拡張は随伴である
- 逆に随伴はKan拡張で書ける
- Kan拡張は余極限で計算できる
- 逆に余極限はKan拡張である
- ……
というわけで圏論はまさに「全ての概念は全ての概念である」とでも言うべき状態になっており、これを説明するというのが今回のテーマでした。
これは勿論当サイトのPDFを読めば分かることですから、詳しく知りたい人は是非PDFを読んで勉強してみてください。