Löwenheim-Skolemの定理
定理 次の命題は(ZF上)同値.
- 選択公理
- 下降Löwenheim-Skolemの定理
- 一階論理式 φ が濃度 κ のモデルを持つとする. 0≦μ≦κ ならば φ は濃度 μ のモデルを持つ.
- 上昇Löwenheim-Skolemの定理
- 一階論理式 φ が濃度 κ のモデルを持つとする. μ≧κ ならば φ は濃度 μ のモデルを持つ.
証明 (1 ⇒ 2)略.
(2 ⇒ 3)自明.
(3 ⇒ 1)任意の濃度 μ≧0 に対して μ2=μ を示せばよい. R を三変数関係記号として, φ を次の一階論理式とする.
(∀x∀y∃zR(x, y, z))
∧(∀x∀y∀z∀u∀v∀w[(R(x, y, z)∧R(u, v, w))→(z=u←→(x=v∧y=w))])
「 (A, R) が φ のモデルである ⇔ Rは単射 A×A→A である」が成り立つ.故に (A, R) が φ のモデルならば |A|2 = |A| である. μ≧0 を濃度とする. κ:=2μ・0 と置けば
κ2=(2μ・0)2=2μ・0\・2=2μ\・0=κ
だから|A| =κ となるモデル (A, R) が存在する. 0≦μ≦κ だから,仮定3により濃度 μ のモデルが存在する.よって μ2=μ である.
(1 ⇒ 4)略.
(4 ⇒ 5)自明.
(5 ⇒ 1) 3⇒1 と同じ φ を考える. φ は明らかに可算モデルを持つ.よって任意の μ≧0 に対して濃度 μ のモデルが存在し, μ2=μ である.
参考文献
- H. Rubin and J. Rubin『Equivalents of the axiom of choice, II』
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