選択公理と同値な命題リスト

ZF (基礎の公理を含む) で考えています.

選択公理

  1. 任意の集合は選択関数を持つ (選択公理)
  2. 非空集合の直積は空でない
  3. 互いに素な非空集合の族は選択集合を持つ
  4. 一般化された従属選択公理: ∀αDC(α)
  5. 任意の X に対し MC(X, m) (m≧2は固定された整数)
  6. ある m≧2 が存在して任意の X に対し MC(X, m)
  7. 任意の X に対しある m≧2 が存在して MC(X, m)
  8. 任意の X に対し MC(X, ) (the Axiom of Multiple Choice)
  9. the Axiom of Odd Choice
  10. the Axiom of Even Choice
  11. 集合 X が「任意の x∈X に対し |x|≧2 」を満たすとするとき, X 上の写像 f が存在して,任意の x∈X に対し f(x) ⊊ x, 0<|f(x)|<∞ を満たす.

整列可能定理

  1. 任意の集合は整列可能 (整列可能定理)
  2. 任意の全順序集合は整列可能
  3. 整列順序集合の冪集合は整列可能
  4. 選択関数を持つ集合は整列可能
  5. 任意の集合 X に対し WO(X, m) (m≧2は固定された整数)
  6. ある m≧2 が存在して任意の集合 X に対し WO(X, m)
  7. 任意の集合 X に対しある m≧2 が存在して WO(X, m)
  8. 任意の集合 X に対し WO(X, aleph<sub>0</sub>)

極大原理

  1. 空でない順序集合が「任意の部分全順序集合が上界を持つ」を満たすならば極大元を持つ (Zornの補題)
  2. 空でない順序集合が「任意の部分全順序集合が上限を持つ」を満たすならば極大元を持つ
  3. 空でない順序集合が「任意の部分整列順序集合が上界を持つ」を満たすならば極大元を持つ
  4. 空でない集合x上の推移的関係Rが 「xの部分集合でRによって全順序付けされるものには上界が存在する」を満たすならば,xの極大元が存在する.
  5. 空でない集合x上の推移的関係Rが 「xの部分集合でRによって整列順序付けされるものには上界が存在する」を満たすならば,xの極大元が存在する.
  6. 集合x上の推移的関係Rに対し,Rによって全順序付けされる極大部分集合が存在する
  7. 任意の集合xを⊂で順序集合とみなしたとき,xは極大鎖を持つ
  8. 任意の集合xを⊂で順序集合とみなしたとき,xが「鎖y⊂xに対し,∀a∈y(a⊂b)となるような元b∈xが存在する」を満たすならば,xの極大元が存在する
  9. 有限性をもつ非空集合xは(⊂に関する)極大元をもつ (Tukeyの補題)
  10. 任意の前順序集合(x, ≦)は極大鎖を持つ
  11. 任意の順序集合(x, ≦)は極大鎖を持つ (Hausdorff's Maximal chain Condition)
  12. 任意の順序集合(x, ≦)の任意の鎖は,xのある極大鎖に含まれる
  13. 任意の木(T, ≦)は極大鎖を持つ
  14. 任意の前順序集合(x, ≦)は極大反鎖を持つ
  15. 任意の順序集合(x, ≦)は極大反鎖を持つ (Kurepa's Maximal Antichain Condition)
  16. 任意の集合x,正整数n,n項関係R⊂x^nに対し,y^n⊂Rとなる極大なy⊂xが存在する
  17. 順序集合Xが「下の条件(*)を満たす任意のA⊂Xが上界を持つ」を満たすならば,Xは極大元を持つ.

    (*) 任意の元x, y∈Aに対し { x, y }⊂A はAに上界を持つ.

  18. M(1)
  19. M(2)
  20. M(3)
  21. M(4)
  22. M(5)
  23. N(D)
  24. N(Dc)
  25. N(K)
  26. N(J)
  27. N(Jc)

集合

  1. 任意の{X_λ}_{λ∈Λ}と, 定義域が∪_{λ∈Λ}({λ}×Xλ)である写像Aに対し

    ∩_{λ∈Λ}∪_{x_λ∈X_λ}A(λ, x_λ)=∪_{(x_λ)∈X}∩_{λ∈Λ}A(λ, x_λ)

  2. 任意の{X_λ}_{λ∈Λ}に対し

    ∩_{λ∈Λ}∪_{x_λ∈X_λ}x_λ=∪_{(x_λ)∈X}∩_{λ∈Λ}x_λ

  3. 全射 f: X→Y と全射 g: Y→X が存在するならば,全単射 h: X→Y で h⊂f∪g-1 を満たすものが存在する
  4. 全射 f: X→X に対し全単射 h: X→X で h⊂f∪f-1を満たすものが存在する
  5. 非空集合の族{X<sub>λ</sub>}<sub>λ∈Λ</sub>で全てのXλの濃度が等しいもの,に対し直積集合Π_{λ∈Λ}X<sub>λ</sub>は空でない.
  6. 集合の順序対からなる族 { <Xλ, Yλ> }λ∈Λが,各λ∈Λに対し |Xλ| = |Yλ| を満たしているとする.このとき写像の族 {fλ}λ∈Λ で,「各λ∈Λに対し fλ: Xλ→Yλ は全単射」を満たすものが存在する.
  7. 非空集合の族{X<sub>λ</sub>}<sub>λ∈Λ</sub>は全てのXλの濃度が等しいとする.このとき写像の族{ f_{λ, μ} }_{λ, μ∈Λ}で,「各λ, μ∈Λに対し f_{λ, μ}: Xλ→X_μ は全単射」を満たすものが存在する.
  8. 任意の X≠∅ と写像 F: X→Y に対して写像 G: Y→X が存在して FGF = F となる.
  9. 任意の全射 F: X→Y に対して,ある G: Y→X が存在して FG = id_Y.
  10. 任意の集合は射影的.
  11. 任意の集合Xに対して,射影的な集合Yが存在して X⊂Y.
  12. 二項関係 R⊂X×Xが ∀x∈X∃y∈X xRy を満たすとき,写像 f: X→X で∀x∈X xRf(x) を満たすものが存在する.
  13. 任意の族{X<sub>λ</sub>}<sub>λ∈Λ</sub>に対し, 互いに交わらない集合の族 {Yλ}λ∈Λ で Yλ⊂ Xλ, ∪_{λ∈Λ}Yλ=∪_{λ∈Λ}Xλ を満たすものが存在する
  14. 任意の集合は射影的

群・加群

  1. 任意の非空集合は群構造を持つ
  2. strong Nielsen-Schreierの定理
  3. 任意の可換環 R とR-加群 M に対して次が成り立つ.

    任意のイデアル I⊂R と任意の準同型 φ: I→ M に対して
    ある準同型 ψ: R→M が存在して ψ|I=φ となる.
    ⇒ Mが入射的

  4. 任意の単項イデアル整域 R に対して,可除R-加群は入射的
  5. 可除アーベル群は入射的
  6. 任意の環 R とR-加群の族 { Mλ }λ∈Λ に対して

    全てのλ∈Λについて Mλ が射影的 ⇒ M :=⊕λ∈Λ Mλ が射影的

  7. 任意の環 R に対して,任意の自由R-加群は射影的
  8. 任意の自由アーベル群は射影的
  9. ある環 R が存在して,任意の自由R-加群は射影的

  1. 右単位的環は極大左イデアルを持つ
  2. 左単位的環は極大右イデアルを持つ
  3. 右単位的環は極大イデアルを持つ
  4. 左単位的環は極大イデアルを持つ
  5. 右単位的環の真の左イデアルはある極大左イデアルに含まれる
  6. 左単位的環の真の右イデアルはある極大右イデアルに含まれる
  7. 右単位的環の真のイデアルはある極大イデアルに含まれる
  8. 左単位的環の真のイデアルはある極大イデアルに含まれる
  9. 冪等元(≠0)を持つ環は極大左イデアルを持つ
  10. 冪等元(≠0)を持つ環は極大右イデアルを持つ
  11. 左半中心冪等元(≠0)を持つ環は極大イデアルを持つ
  12. 右半中心冪等元(≠0)を持つ環は極大イデアルを持つ
  13. 単位的可換環は極大イデアルを持つ
  14. 一意分解整域は極大イデアルを持つ
  15. 任意の環は部分直既約な環の部分直積である
  16. 任意の一意分解整域は部分直既約な環の部分直積である
  17. 任意の環Rに対して,ある部分直既約な環S≠0と全射環準同型R→Sが存在する
  18. 任意の一意分解整域Dに対して,ある部分直既約な環S≠0と全射環準同型D→Sが存在する

線型空間

  1. 任意の線型空間は基底を持つ
  2. 線型空間の生成系は基底を含む.
  3. Q-線型空間の生成系は基底を含む.
  4. F2-線型空間の生成系は基底を含む.
  5. 線型空間は入射的
  6. 線型空間は射影的
  7. 基底を持つ線型空間は射影的
  8. 任意の一般化線型空間に基底が存在する

  1. 任意の有界束は極大フィルターを持つ
  2. 任意の完備束は極大フィルターを持つ
  3. 任意の分配有界束は極大フィルターを持つ
  4. 任意のclosed latticeは極大フィルターを持つ
  5. 全順序な完備束はcompletely distributive
  6. powerset latticeはcompletely distributive
  7. 完備束 2 := {0, 1} はcompletely distributive

解析学

  1. Vを実線型空間,W⊂Vを部分空間,S⊂Vを部分集合とする. p: V→Rを劣線型汎関数とし,線型汎関数f: W→Rはf≦Wpを満たすとする.このとき前順序集合(Z(p, f), ≦S)の極大元が存在する.
  2. Vを実線型空間,W⊂Vを部分空間として,p: V→Rを劣線型汎関数とする. f: W→Rを線型汎関数とし,f≦Wpを満たすとする. このときZ(p, f)はextrime pointを持つ.
  3. 「実ノルム空間の双対空間」の単位球体はextrime pointを持つ

位相空間

  1. コンパクト空間の直積はコンパクト (Tychonoffの定理)
  2. コンパクトかつT1な空間の直積はコンパクト
  3. 開集合が有限個な空間の直積はコンパクト
  4. 互いに同相なコンパクト空間の直積はコンパクト
  5. 互いに同相な,開集合が丁度3個ある空間の直積はコンパクト
  6. 任意の位相空間の族{X_λ}_{λ∈Λ}と 部分集合Aλ⊂Xλに対し cl(Π_{λ∈Λ}Aλ)⊃Π_{λ∈Λ}cl(Aλ)
  7. コンパクト ⇒ Alexandroff-Urysohn-コンパクト
  8. コンパクト ⇔ Alexandroff-Urysohn-コンパクト
  9. Alexandroff-Urysohn-コンパクト空間の有限和はAlexandroff-Urysohn-コンパクト
  10. 開集合が有限個の位相空間はAlexandroff-Urysohn-コンパクト
  11. 密着位相空間の有限和はAlexandroff-Urysohn-コンパクト
  12. Alexandroff-Urysohn-コンパクト空間の直積はAlexandroff-Urysohn-コンパクト
  13. Alexandroff-Urysohn-コンパクト空間の有限直積はAlexandroff-Urysohn-コンパクト
  14. 開集合が有限個な空間の直積はAlexandroff-Urysohn-コンパクト
  15. 有限離散位相の直積はAlexandroff-Urysohn-コンパクト
  16. 「{0, 1}に離散位相を入れた空間」の直積はAlexandroff-Urysohn-コンパクト
  17. Tychonoff-コンパクト空間はAlexandroff-Urysohn-コンパクト
  18. [0, 1]の直積はAlexandroff-Urysohn-コンパクト
  19. スーパーコンパクト空間の直積はスーパーコンパクト
  20. 任意の位相空間は極大なT0部分空間を持つ
  21. 任意の位相空間は極大なT1部分空間を持つ
  22. 任意の位相空間は稠密なT0部分空間を持つ
  23. 任意の位相空間はcodenseなT0部分空間を持つ
  24. 任意の位相空間はthickなT0部分空間を持つ
  25. {X_λ}_{λ∈Λ}を位相空間の族とし, {Aλ}λ∈Λは任意のλ∈Λについて ∅≠ Aλ⊂ Xλを満たすとする.このとき
    Πλ∈ΛAλΠ_{λ∈Λ}X_λが閉集合 ⇒ 任意のλ∈Λ に対しAλ⊂ Xλが閉集合
  26. {X_λ}_{λ∈Λ}を位相空間の族とし, {Aλ}λ∈Λは任意のλ∈Λについて ∅≠ Aλ⊂ Xλを満たすとする.このとき
    Πλ∈ΛAλΠ_{λ∈Λ}X_λが閉集合 ⇒ あるλ∈Λ に対しAλ⊂ Xλが閉集合